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1つの研究対象に複数局面からアプローチする、
人文科学の分析に社会科学的方法論を使う等々―
人間社会学研究科は、学問領域の既存の境界を越えて
新しい知をつくることに意欲的な場です。
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07 学びの科学
「学び」の科学的探究
人間は、人生のさまざまな場面で「学び」、成長・発達していきます。人間社会学研究科では、広義の(学校での「授業・勉強」に限らない)「学び」のメカニズムを解明するために、科学的・実証的なアプローチからの研究を行っています。
熟達化の科学
私たちの研究室で扱っている研究の内容は、『人はどのようにして、ものごとに熟達するのだろうか?(How people expertise)』ということです。たとえば、小数の割り算ができるようになるときには、どのような心のはたらきの変化があるのでしょうか?。あるいは、子どもがジェスチャーを使えるようになるときにはどのような心のはたらきの変化があるのでしょうか?。などということについて調べようとしています。そして、そのような心のはたらきの基礎的な研究で得られた知見にもとづいて、どのような教え方がよいのか。あるいは、どのような教材がよいのかなどを考えて、学校の先生方と一緒に実践的な研究を行っています。 簡単にいうと、私たちの研究室で扱っている研究というのは、『できなかったことができるようになるプロセス』ということができると思います。それは、一言でいえば、熟達化(expertise)、あるいは、学習(学び)ということになります。
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岡本真彦 教授
OKAMOTO Masahiko ■人間科学専攻 最近の主要著作: 『思考ツールとしての数学』(共著)(共立出版 2012年)。 指導可能なテーマ例: 子どもの認知発達過程に関する研究、メタ認知過程に関する研究、教育情報システムに関する研究。
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健康福祉の基礎と実践
誰もが豊かな気持ちで幸福に過ごせる社会を実現すること。 将来その重要な担い手として期待される大学院生にとって、専門的な講義から解決すべき問題を体系的に学ぶことは、その基盤をなすものと思われます。しかし、あらゆる問題事例に対応していくためには、これに加えて実際の社会、つまり学校の外で何が起こり、どのような対応が求められているのかを院生本人が現場で直接感じ取った上で、具体的なオリジナリティのある改善方法を創造していくことが必要となるでしょう。なかでも、私の専門領域である健康福祉の分野は、さまざまな人々の健康を増進するための施策や指導といった多様かつ重要な要素を含んでおり、より多面的で実践的な視点から研究に取り組むことが望まれていますが、まだまだ発展途上の段階でもあります。 このように身近でありながら研究の余地がある領域は意外と多く、むしろ大学の外で気づく問題意識を育む力をつけることが、科学的研究のさらなる発展には不可欠と思われます。基礎研究と実践研究、専門領域と周辺領域の絶妙なコラボレーションが今後ますます望まれることでしょう。
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吉武信二 教授
YOSHITAKE Shinji ■社会福祉学専攻 最近の主要著作: 『成功する自己採点式ダイエット―健康科学の立場からリバウンドしないセーフティダイエットを実践する』(大学教育出版 2007年)。 指導可能なテーマ例: 健康福祉および健康支援に関する研究、スポーツ科学および指導法に関する研究、効果的な健康維持増進・ダイエット・トレーニング方法に関する研究。
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