世界のスクールソーシャルワーク

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8.香港におけるスクールソーシャルワーク

特別行政区域に対する拘束と束縛

背景

 香港では、若者に関する様々な問題が存在していました。中でも、7歳から20歳までの犯罪率の増加、15歳から19歳までの自殺者数の増加、その他、児 童虐待の問題などが深刻でした。それらの問題があるにも拘らず、子どもたちが受けることができるサポートが数少ない状況にありました。

開始時期

 スクールソーシャルワークの始まりは、1971年のパイロット計画によって開始されました。この計画は、政府の資金援助なしに、6つの民間の福祉機関 (主に家族サービス機関)によって始められたものです。その計画の目的は、生徒が学業を達成するために妨げとなっている背後に隠されている感情的・社会的 問題に対処するのを手助けすることでした。このサービスは、提携した学校に提供されていました。

役割

 学校関係者によって認識されている役割とは、生徒への援助です。つまり、直接援助を通して、生徒の幸福を促進することが主な役割となっています。教師に 対する専門的知識の提供やアドバイスは、その役割としてほとんど想定されていないと言われています。また、予防的介入が必要とされている中で、スクール ソーシャルワーカーによる予防的介入はその主要な役割としては捉えられていない点も指摘されています。

参考資料

Huxtable,M.,& Blyth,E.(Eds).(2002).School Social Work Worldwide.Washington DC:NASW Press.

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