世界のスクールソーシャルワーク

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9.マルタにおけるスクールソーシャルワーク

市民権としての子どものエンパワメント

背景

 マルタでは、薬の乱用・子どもの労働・貧困などの問題を抱えていました。中でも、子どもの労働の問題は、違法労働であることが多く、子どもを危険な状況 に追いやっていました。そのために、戦後のマルタでは、家族・子ども・雇用者に対して適切なアドバイスを行う人材を必要としていました。

開始時期

 イギリスの植民地であった1946年に、6歳から14歳までの子どもの義務教育を保証するための宣言が出されました。その結果、義務教育の強化のため に、学校出席監督官が登場しました。現在では、ソーシャルワークの学位を有している者のみをソーシャルワーカーとして任命することになっています。その ソーシャルワークの学位を得るためには、3年間マルタ大学に通い、心理学・社会学・ソーシャルワークといった専門性を学ぶことが義務づけられています。

役割

 スクールソーシャルワーカーは、問題への対処が前進するように家庭‐学校‐コミュニティに焦点をあてて活動を行っています。そして、3者に変化が起こる ように提案をするといった活動を行っています。また、スクールソーシャルワーカーは、積極的に司法組織・警察・雇用機関・訓練機関・マルタの医療機関など との会議に出席し、うまくそれぞれのシステムが機能するように変革を行っています。

参考資料

Huxtable,M.,& Blyth,E.(Eds).(2002).School Social Work Worldwide.Washington DC:NASW Press.

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