在学生や卒業生の声を通して人間社会学部と大学院の魅力を浮き彫りにします。


人間社会学部教授・学部長、人間社会学部研究科長 (2009.3まで)
社会福祉学専攻 援助方法分野
【研究テーマ】地域保健、老人福祉の領域の公衆衛生学的研究
【著書】「学生のための医療概論」、「地域ですすめる介護予防」「大阪の精神医療」等。
【出身高校】福岡県立福岡高等学校
【出身大学】大阪大学医学部
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博士後期課程1年
【研究テーマ】人間の攻撃性と守り
【出身大学】大阪女子大学
【指導教員】川原稔久(臨床心理学)
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言語文化学専攻 言語情報学分野
博士後期課程2年
【研究テーマ】日本語と中国語における相対程度副詞の対照研究
【出身高校】河北定州中学
【出身大学】大連外国語学院大学
【指導教員】張麟声(応用日本語学・言語学)
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博士前期課程1年
【研究テーマ】児童相談所と警察の連携
【出身高校】兵庫県立姫路西高等学校
【出身大学】大阪府立大学 
【指導教員】山野則子(子ども家庭福祉【児童福祉】)
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松本 人間科学専攻の松本です。D1です。目に見えない人間の心に不思議さと興味を持ち始め、心理臨床学の立場から、攻撃性と守りについて研究しています。


 中国からまいりました陳と申します。D2です。専攻は言語文化学で、日本語と中国語の文法の対照研究をしています。日本語と中国語における相対程度副詞の違いを比較して、日本語と中国語の本質的な違いを明らかにしようと考えています。


佐野 社会福祉学専攻M1の佐野と申します。児童相談所と警察の連携について研究したいと考えています。


司会 博士後期課程が2名、前期課程が1名ですね。黒田先生もお願いします。


黒田 研究科長の黒田です。高齢者の保健福祉に焦点をあてて、実践現場と連携しながら、認知症ケア支援サービスの質の評価、虐待防止方策、苦情解決体制などについての研究を行っています。


司会 自分の研究のどこが、面白いのか、なぜ、そういった研究をしようと思ったのかをお話しいただけますか。


佐野 児童相談所の職員さんから児童虐待のある家庭の状況のお話を聞くと、すさまじい家庭などもあり胸が痛くなります。その中で児童相談所の職員さんたちが、頑張っていらっしゃる姿がとても印象的です。研究の動機ですが、学部の3回生のときの実習がきっかけです。そこで職員の方々のしんどさや、大変さに興味を持つようになりました。そして、児童虐待対応の職員と保護者の関係性が良好かどうかに注目するようになりました。そこで、良好な関係性を築き、よりよい支援を行うためには、児童相談所と他機関、特に警察との連携を強化すればいいのでは?と考えるようになりました。


司会 実際にその場に入り込まないと、わからないですね。


 一番面白いところは二つの言語の共通点と相違点を見つけることだと考えています。たとえば、日本語では「もっと小さくない」という言い方は存在しません。しかしこれに対して中国語では「もっと小さくない」に当たる言い方「更不小」は存在しています。なぜ日本語と中国語にこのような違いがあるのか、これから研究していこうと思っています。
大学3年生の時、日本語のオノマトペ(擬音語、擬態語)に興味を持ち始めました。日本語にはたくさんありますが、中国語にはそれほど多くないんです。ですから、多くの場合、日本語の擬音語、擬態語を中国語に訳すことができないんです。大学院に入ってから、オノマトペを含めての副詞の研究を始めました。日本語の副詞は品詞のゴミ箱と呼ばれています。つまり、名詞、動詞、形容詞以外の整理できないものが全部副詞とされたのです。だから、副詞の整理は非常に難しいのです。日本に来てから日中の対照研究を始めました。副詞のうち、程度副詞(例えば、「もっと」「さらに」等のような副詞)は日本語にも中国語にもありますし、意味用法的にも近いのです。それで割合、比較し易いんです。ですから、まず、日中における程度副詞の対照研究を始めたのです。


司会 「副詞は品詞のゴミ箱」ですか。


松本 私の場合は、人間の心の簡単に白黒がつかない複雑さへの興味から始まりました。研究をしていると、理解が深まると同時に、どんどんわからないことや課題が出てくるなあという感じがします。みなさんは、その点いかがですか?


 そうですね。研究すればするほど分からないものが増えてきますね。円を描くとき、円が大きくなるにつれて未知の円の外部はますます大きくなるわけです。幸いなことに円の内部つまり自分の知っている部分も少しは大きくなりますね。この大きくなる部分から我々は自分の研究の価値を感じているわけですね。


松本 佐野さんとは児童相談所の児童心理司の研究について話し合うことがあるのですが、分野を飛び越えて話していると、違った視点に気付くことがあって刺激的です。


佐野 私も、すごく刺激を受けています。


松本 話していて結構面白いことも多いですよね。


司会 大学院の中で分野を超えて話すことで深まることもありますね。黒田先生は研究者の先輩としていかがでしょう?


黒田 三人がそれぞれ、かなり異なったテーマで研究していますね。人間社会学研究科では、人間と社会に関して非常に広範囲の課題を追究することができ、それだけ多様な領域をカバーできる教員集団がついています。でも、研究課題を設定して、文献やデータを収集し、新しい思考や知見を導き出してくるという知の営みは、大学院生各自が自分の力で行わなければなりません。教員と院生仲間は、相互に議論をする過程で、その力を高めていくための刺激を与えてくれるでしょう。講義やゼミで議論をすることが多いのはそのためです。


司会 陳さんは、朝9時ごろから夜遅くまで、共同研究室で研究しているみたいですが、院生の学生生活は、どうでしょう。


 大学院の学生生活はちょっと寂しいけど、楽しいです。先賢たちのすばらしい学説や考えを読んで、その上に立って自分なりの何か新しい考えを出せれば、と常に思っています。私は中国で大学教育を受けました。学部では講義を受けて、基礎的知識や物事の考え方等を勉強していました。学部では「学習」タイプの大学生活だったんです。大学院で大事なのは「研究」だと思います。新しい考えを出す、つまり、「産出」の方がもっとも大切ですね。


佐野 大学院と学部では全然違うと思います。学部のときはすごく不真面目で(笑)全然勉強していませんでした。でもそれでも単位をもらえましたし、「大学ってこんなに甘いところなのか〜」となめきっていました…。(先生方すみません!!)大学院は全然違います。大学院は自分が研究したいというテーマを持って入るところだから、はじめからみんなのやる気が違います。みんなとディスカッションする授業がほとんどですし、刺激を受けながら研究に取り組むことができます。苦しいことも多いですが、大学院に入って久しぶりに学ぶことって楽しい!と実感しています。


松本 本当に、主体性は大事だなって思いますね。「自分で」探っていくものだと思います。その分、研究に個性が出ますよね。


司会 では、最後に将来の目標をひとことで。


 大学の先生になって言語の研究を続けることが自分の目標です。


佐野 一言で言うと…今はとりあえず就職することです(笑)。福祉の精神を活かしながら、人の役に立てるような仕事をしたいです。


松本 実践も研究も続けていって、自分の中に臨床心理学の芯を作っていきたいなと思っています。


司会 黒田先生は、大学院生のころ、将来、何になるおつもりでしたか?


黒田 私は、医学部を卒業してすぐに精神医学の臨床現場に入りました。医療の現場に飛び込み、実践をしながら、患者、上級医、現場の仲間、書物から学びました。しかしそこで精神医療が多くの問題を抱えていることを実感し、その問題を分析し改善を図ることができるような研究をしたいと考えて、大学に戻り、研究教育職になったのです。


司会 社会福祉では、実践の場から研究の必要性を実感するということも多いようですね。




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