在学生や卒業生の声を通して人間社会学部と大学院の魅力を浮き彫りにします。


人間社会学部教授・学部長、人間社会学部研究科長
人間科学専攻 文化形成論分野
【研究テーマ】西洋思想・文化(抑圧と解放の思想史と視覚表現文化のイデオロギー、芸術思想史、西洋世界のフェミニズム思想、ブラック・カルチャー、移民文化論)
【著書】「ブラック――人種と視線をめぐる闘争」、「この胸の嵐――英国ブラック女性アーティストは語る」等。
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人間科学専攻・現代人間社会分野・D1
【指導教員】田間泰子(ジェンダー論/社会学)
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言語文化学専攻・言語情報学分野・D3
【指導教員】高木佐知子(談話研究/社会言語学)
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人間科学専攻・現代人間社会分野・D1
【指導教員】田間泰子(ジェンダー論/社会学)
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社会福祉学専攻・援助方法分野・D1
【指導教員】田垣正晋(障害者福祉)
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人間科学専攻・現代人間社会分野・M1
【指導教員】森岡正博(現代倫理学/生命論)
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人間科学専攻・文化形成論分野・M1
【指導教員】河野道房(東洋美術史)
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萩原:府立大の大学院、人間社会学研究科に入学した動機、目的、きっかけは何ですか?


伊藤 私は看護師として臨床と教育に携わってきた約10年間に、何人もの性暴力被害にあった当事者に出会いました。しかし医療界では、性暴力に関する情報が共有されていませんでした。戸惑いながら、私の問いが始まりました。
性暴力はなぜ起こるのか、なぜ被害者が後ろめたい思いをしなければならないのか、支援者として何ができるのか。これらの問いに答えを出し、社会に還元したいと思いました。


稲永 私は、学部生の時から、さまざまなテクストにおいてジェンダー・イデオロギーがどう表わされているのかに関心がありました。私の指導教員であった高木先生が批判的談話分析に精通しておられますので、そのまま府立大の大学院に進学しました。


鈴木 還暦を目前にして、それまで棚上げにしてきた自分への宿題にそろそろ手をつけねば、と思い始めたのが私のきっかけでした。


 自分自身の子育て、そして5年間のNPOでの子育て支援活動を通じて女性が子育てでぶつかる問題に、ジェンダーが深く関わっていると思っていました。府大を選んだのは、女性学研究センター主催の「女性学連続講演会」に参加し、過去 の講演録を読んで、田間泰子教授のお仕事に触れたのがきっかけです。


藤田 別の大学院の修士課程で心理学を専攻して研究するうちに、さらに研究を深めたいとの思いが強くなりました。そして本学人間社会学研究科のHPで、障がい者福祉分野で身体障がい者に関して社会福祉学、心理学の両面から研究されている田垣正晋先生のことを知り、ぜひ師事したいと思いました。


清瀬 学部も府立大でしたが、キャンパス生活が楽しいので、そのまま進学しました。


萩原:現在の研究テーマは何ですか?


伊藤 前期課程でのテーマ、「性暴力被害とエンパワメント」を、後期課程でも引きつづき追究していきます。


稲永 育児雑誌を材料に批判的談話分析を行ない、育児をめぐる性役割に関するイデオロギーの言語的表出を研究しています。


清瀬 19世紀フランスの画家ピュヴィス・ド・シャヴァンヌの作品研究です。


鈴木 障がいの受容とはどういうことか、病態認識と障がい認識、そして障がい受容の違いは何か。そして、「生きることとリハビリテーションの関わり」についてというのが現在のテーマです。


 「子育て・育児にまつわるジェンダー」です。


藤田 青年期・成人期前期の二分脊椎症者(身体障がい者)の主観的幸福感や精神的健康に及ぼす要因には、広くどのようなものがあるかについて研究しています。私自身が二分脊椎症者の当事者ですので、当事者による研究です。


萩原:入ってみてわかった新しい知の領域はありましたか?


伊藤 それまで「常識」「普通」と思っていた価値観が、実は時代・社会によってつくられたものを鵜呑みにしていただけであると知りました。現代の「常識」に惑わされずに、自分自身の「ものさし」を持たないといけないと改めて認識しました。


稲永 批判的談話分析は言語学だけでなく、批判理論の知識も必要で、その勉強が新鮮で楽しいです。
鈴木:ジェンダー学については、私のこれまでを問われる思いがして、いつも自分自身のなかにあるものを掘り出しては考えさせられました。


萩原:意外な収穫は?


鈴木 留学生との交流です。日本語で勉強するだけでも大変でしょうに、といつも感心します。


藤田 身体障がい者である私は、ふだん車椅子で生活しています。府大には障がいのある学生をサポートする体制があり、これには驚きと感激を覚えました。そのおかげで、大学院生活を満喫できていると感じています。障がいのある方で、大学院での研究と学びに挑戦したいと考えている方はぜひトライして頂きたいです。


萩原:学部レベルの勉強と、院での研究の違いは何だと思いますか?


鈴木 学部での勉強はひとことで言えば「受身」ですが、院では自分でテーマを決め、文献を集め、結論まで自分でもっていかねばなりません。知識を入れるだけでは研究ではない、と思い知らされます。また、院の講義は、サロン風であったり、問答形式であったり、発表形式であったり、講義形式であったりとさまざまですが、そこに流れる情報や意見のやりとりは真剣勝負。緊張感が漂います。


藤田 学部の勉強は、教授陣からこれまでの知の積みあげを学ぶといった学び。それに対して博士後期課程となると、それを踏まえて、自ら主体的に考えて新たな知を生みだし、さらにはそうして生みだされた知が社会に貢献することが求められているのではないでしょうか。


萩原:大学院は、自分で勉強する基本を身につけるところ。文献の選択、先行研究の調査、フィールド調査の方法、論理性や実証性の確保などといったスキルについての助言はします。 また学問の系譜を見渡して、研究の今後について意見を言うこともできます。しかし教員によるそうした研究指導は、学生自身の知的情熱がないなら、そもそも成立しません。 座談会に出席された皆さんは、自分の暮らし、経験、感受性に根差したテーマ設定をしっかりされていて、情熱にあふれ、いかにも楽しそうに研究を進めておられます。そんな学生が本研究科に集まってくるというのは、なにより嬉しいことです。



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