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「侵略=差別と闘うアジア婦人会議」資料の寄贈について

「侵略=差別と闘うアジア婦人会議」資料の寄贈について
http://repository.osakafu-u.ac.jp/dspace/bitstream/10466/12664/1/2012000105.pdf
(『女性学研究』第16号、2009年、pp.136-139より一部抜粋。)

伊田久美子

2006年8月にインパクト出版会を通じて、1970年代に活動した女性グループ「侵略=差別と闘うアジア婦人会議」の資料編纂に携わってこられた宮地佳子さんから、大阪府立大学女性学研究センターへの資料寄贈のお申し出をいただいた。宮地さんは「アジア婦人会議」の中心メンバーであった飯島愛子さんが亡くなられた後に残された膨大な資料を中心に、他のメンバーの資料も加えて「アジア婦人会議」資料の編纂作業を行ってこられたのである。インパクト出版会からは飯島愛子さんの一周忌に合わせてパンフレット20冊を復刻した『侵略=差別と闘うアジア婦人会議資料集成『1、2、3』、および飯島さんの自伝と主要論文を集めた『侵略=差別の彼方へーあるフェミニストの半生』が宮地さんをはじめとする編集委員会によって刊行されている。

「侵略=差別と闘うアジア婦人会議」とは、1970年8月に開催された女性たちによる大会名称であり、その後大会基調を理念として同名の運動体が結成され、その活動は1980年代前半まで続いた。資料集刊行委員会はその理念を以下の二点に集約している。

①戦後民主主義の特徴であった「婦人解放」を、その根源からとらえ直す。
それは社会体制の変革のあとに続く婦人解放(論)ではなく、自己変革として差別問題をとらえることであり、私たち女性の受けている差別を部落や沖縄県民や在日朝鮮人のそれと同質のものとして明らかにしたい。

②アジア的視点で今後の闘いのあり方を考えたい。
それは日米帝国主義のアジア侵略を私たちへの侵略ととらえ、私たち自身の個別の闘いを追求し、同時に運動の先進国としてのアジアから学ぶ。

資料集刊行委員会 (2007年 4 月)