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12月3日(土)女性学講演会:文学とジェンダー(2)堀江珠喜さん「坊やは人気者?ー物語における女児と男児について比較文学的に考える」

スクリーンショット 2016-11-16 14.40.18申込方法等詳細は以下の案内チラシをご覧ください。

2016女性学講演会(堀江先生)チラシ

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どんな名優も子役と動物には勝てないと言われます。現在のCMでは犬より猫のほうが優勢に思えますが、児童文学において、女児に比べ男児の主人公が多いとの指摘は以前からなされてきました。子供向けの物語に限らず、ヒット作品に「可愛い坊や」が関わっている例は、オペラ『蝶々夫人』、歌舞伎『伽羅先代萩』、そして映画などの、特に「お涙頂戴」ものに認められましょう。

ではなぜ、(もちろん一般論として)「女児」より「男児」の話を人は好むのでしょうか?「小公女」より「小公子」のほうが、あどけなく微笑ましい? 「不思議の国」を旅するアリスより、オリバー・ツイストのほうが、ハラハラドキドキさせてくれる? またキリスト教文化圏では、聖母子像の影響も無視できますまい。

今回は、このように登場「男児」の特徴を考え、我々「受け手」の反応を探るとともに、彼らの「人気」のワケについて検討したいと思います。