研究フォーカス

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01 日本語研究-専門領域を越境する日本語研究

logo_focus 1つの研究対象に複数局面からアプローチする、

人文科学の分析に社会科学的方法論を使う等々―

人間社会学研究科は、学問領域の既存の境界を越えて

新しい知をつくることに意欲的な場です。

 

01 日本語研究

専門領域を越境する日本語研究

言語は独自の構造・文法を持ち、その文法は他言語や他方言と関連します。また、言語はその様相や使われ方をめぐって当該社会のしくみや思想と関連を持ちます。文法や言語(思想)史、言語行動などの専門領域を、隣接領域と交流しながら発展させるのが日本語研究です。

 

日本語学は、言語学のうち、日本語という個別言語を対象とする学問です。世界各国には、約400万人の日本語学習者がいます。様々な母語を持つ学習者たちに、説明可能なかたちで、日本語の性質を明らかにしなければなりません。それは、日本語研究の責務の一つであり、醍醐味でもあります。また、日本語教育の現場では、日本語とともに、日本の伝統や文化、社会的な行動様式も伝えられています。

 

もちろん、日本語教育だけでなく、言語の構造や変化、成立の背景を明らかにすること自体、人間の知を解明する重要な人間社会の基礎的研究です。その成果が情報技術への応用、文化理解、社会への提言など、様々な展開をもたらします。

 

そのようなニーズに対応できるように、本研究科の日本語学を専門とする教員たちは、文法・音韻・日本語教育・対照言語学・社会言語学・古典語研究、そして日本語思想研究といった多彩な領域をカバーし、それぞれの観点から大学院生たちの研究をサポートしています。

 

大学院生たちは、各教員の授業を通して幅広い知識を身につけ、自身の研究テーマに向き合っています。そのような領域横断的な研究姿勢は、近年の日本語研究には必須なのです。日本語学を研究する大学院生たちの中には、社会人や様々な国からの留学生も多くいます。現役の日本語教師や経験者、国語教員を目指す人など、学生たちのバックグラウンドは様々です。その学生たちが自主的に研究会を行い、日々視野を広げ、国内外の異言語(方言)・異文化に接する機会を作っています。

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山東 功 教授

SANTO Isao
■言語文化学専攻
日本語学、日本思想史、国語教育史、日本語学会、日本思想史学会ほか所属
近世・近代における日本語観の変遷史。国学者の言語思想や、近代以降の学校教育における「国語」観の成立等について検討を行っている。


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奥村和子 准教授

OKUMURA Kazuko
■言語文化学専攻
日本語学、音韻、日本語史、日本語学会、国語語彙史研究会ほか所属
京都アクセント史を中心とした日本語史研究。また、その史料となる平曲譜本等の資料検討。語の複合による音韻の変化とアクセントとの関連を考える。


西尾純二 教授

NISHIO Junji
■言語文化学専攻
日本語学、社会言語学、方言研究、日本語学会、社会言語科学会(理事)ほか所属
日本語行動、日本語生活の多様性に関する質的・量的研究。方言を含めた「ナマ」の生活語が使われる様相と問題点の解明をめざす。img01_03_nishio


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張 麟声 教授

ZHANG Linsheng
■言語文化学専攻
日本語を核とする対照言語学、日本語教育学、日本言語学会、日本語教育学会ほか所属
ユーラシア諸言語における、日本語のSOV型言語としての普遍性と特殊性を捉え、様々な言語を母語とする学習者に対する日本語教育を考える。


 

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