院生・修了生の声

言語文化学分野
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私たちのエピソードをご紹介します!!

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博士後期課程
森田美里さん
(2014年度入学)

 

博士後期課程
岡村知子さん
(2009年度修了)

 

博士前期課程
梁波さん
(2015年度修了)

 

森田美里 さん
言語文化学専攻 博士後期課程
(2014年度入学)

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Q:最初に自己紹介をお願いします。

人間社会学研究科言語文化学専攻の博士後期課程に在籍している森田美里です。神戸大学で博士前期課程を修了し,博士後期課程で大阪府立大学に進学しました。おおまかな研究分野としては日仏対照言語学で,特にフランス語と日本語の話し言葉に興味を持っています。

 

Q:大学院に進学しようとしたきっかけは何ですか?なぜ大阪府立大学の大学院を選びましたか?

学部時代はフランス語を専攻しており,その後一旦企業に就職しました。しかし,海外で日本語教師をする夢があきらめられず,仕事を辞めてから日本語教師の資格を取り,フランスの大学で2年間日本語教師として働きました。帰国後も日本の学校で教えていましたが,ある大学でフランス人留学生の短期日本語プログラムを担当することがあり,それを機に,フランス人日本語学習者に対する日本語教育にまた関わっていきたいと思うようになりました。まずは日本語とフランス語の違いを体系的に勉強し直すべきだと一念発起し,大学院に進学することにしました。研究を進めていくうちに,さらに詳しく研究したいと思うようになり博士後期課程に進むことを決めましたが,指導教員の退官により,同じ大学院では研究が続けられない状況になりました。その時,現在の指導教員である高垣由美先生との出逢いがあり,この先生にぜひ指導していただきたい,この先生しかいないと思い,大阪府立大学の大学院への進学を決めました。

 

Q:いまどういう研究をしていますか?

日本人とフランス人とのコミュニケーションにおいて誤解を招く恐れのある,フランス人の談話における舌打ちに関する研究をしています。

 

Q:そのテーマを選んだ理由、ご自分の研究分野の魅力や楽しさを教えてください。

フランス人留学生の話す日本語と母語であるフランス語の談話を,もともと違う目的で調査をしていたのですが,その際に偶然,ある一定のルールをもって舌打ちが表れていることに気がつきました。我々日本人にとって舌打ちは不快な感情の表れですが,それとは異なる機能がフランス語の舌打ちにはあるのではないかと考え,この研究テーマを選びました。

この研究の魅力は,これまで単なる悪癖や偶然の雑音としてフランス人にも聞き流され,研究テーマにすらなってこなかったものが研究対象だというところです。つまり,誰もやっていない,まったく明らかにされていないことに挑んでいるというワクワク感が常にあります。学会発表でも「面白い」と言ってくださる方もいて,そういうことが,日々の研究の原動力になっています。

 

Q:大阪府立大学大学院の魅力は何でしょうか?

沢山ありますが,あえて3つ挙げるとするなら,一つ目は「研究熱心な先生方がいること」です。指導教員の先生方は,各学生の将来を見据え,あらゆる面で親身になって最善の指導をしてくださいます。希望すれば副指導教員をつけることも可能で,私の場合,指導教員の専門外の部分は,副指導教員がカバーしてくださり,悩んだりしたときや,学会の前などには,多角的な視点から助言を得ながら研究を進めることができています。

二つ目は「グローバルに学ぶ研究支援制度があること」です。研究調査などに行くための留学支援,大学が招聘した国内外の著名な教授の授業を受ける機会,海外の大学の卒業資格が取れるダブルディグリーなどの制度もあり,グローバルな研究者を目指すには素晴らしい環境が整っていると思います。

三つ目は「社会人にとっても学びやすい環境があること」です。私のように社会人になって大学院で学ぼうとする方は,若い学生たちとうまくやっていけるかどうか心配になるかもしれません。実際に,私は心配でした。しかし,人間社会学研究科はさまざまな学問領域があるため,私と同じような30代も多く,中には60代ぐらいの方もいらっしゃいます。ですから,若い学生の中で浮いていると,一度も感じることなく過ごせています。

 

Q:今後進学を希望される方へのメッセージをお願いします。

大学の先生方を始め,事務職員の方々も,全力で私たち学生の研究を支えてくださいます。私はこの大学を選んでよかったと心から思っています。ぜひ大阪府立大学で,人生を切り開く一歩を踏み出してみてください。

 


岡村知子 さん
言語文化学専攻 博士後期課程
(2009年度修了)

鳥取大学准教授

Q:最初に自己紹介をお願いします。

私は、大阪女子大学大学院文学研究科修士課程を修了した後、2006年4月に大阪府立大学人間社会学研究科言語文化学専攻博士後期課程に進学し、日本の近代文学について学びました。博士(言語文化学)の学位取得後は、私立高校の非常勤講師をしながら研究を続け、2015年4月、鳥取大学地域学部に准教授として着任しました。

 

Q:いまどういう研究をしていますか?

現在は、文学作品の中に、ローカルな問題がどのように描かれているかを分析したり、文学作品を用いた地域貢献のあり方について模索しています。地域のネガティブな側面に向き合う機会と勇気を与えてくれるものが文学だと考えています。

 

Q:そのテーマを選んだ理由、ご自分の研究分野の魅力や楽しさを教えてください。

文学という虚構の世界に常に接していることで、グローバル資本主義に覆われたかに見える現代社会も、決して一元的な構造にはなっていないことや、言語的な構築物が現実に及ぼす影響等を意識することができます。また、文学研究でお金を儲けることはできませんが、図書館と筆記用具さえあれば研究を続けることができ、新たな意味を生産することができるところが魅力です。

 

Q:ゼミの魅力・楽しさはどういうところでしたか?

山﨑正純先生のゼミでは、毎回何時間もかけて、一つの論が立ち上がっていく現場を目の当たりにすることができました。また、山﨑先生のご講義やゼミを録音し、院生室のパソコンに保存することで、アルバイト等で思うように通学できない院生の便宜をはかりました。互いの研究に有益な助言ができるよう、ともに学び合った院生間のきずなは、生涯の宝物になりました。

 

Q:大学院に進学しようとしたきっかけは何ですか?

卒業論文を執筆する過程で、心ひかれた事柄について調べ、考え、自分の言葉で表現することの喜びを感じたことがきっかけです。その喜びが、何らかの職業に結びつく見通しはまったくありませんでしたが、就職から結婚、出産、育児、介護へと流されていくライフコースとは異なる生き方があるのではないかと思い、時間とお金を投資することを決めました。

 

Q:大阪府立大学大学院の魅力は何でしょうか?

すばらしい先生方が、一人一人の院生に対して、親身にご指導くださることに尽きます。

 

Q:大阪府立大学で学んだことは、現在の仕事にどう生きていると思いますか?

私は幸運にも、大学で学んだことを直接生かせる研究職に就くことができたのですから、今後は、自分の研究業績を増やすために研究するという本末転倒から抜け出し、学生たちがよりよい人生を送れる方途を、文学を通じて見出していきたいと思います。

 

Q:これから入学してくる後輩に向けてのメッセージをお願いします。

過去の出来事と、自分がどのような関係にあるのかをふまえた上で、何らかのかたちで次世代に資する生き方を選び取ろうとする時、大学院という〈場〉は非常に豊かな示唆を与えてくれます。ぜひ大阪府立大学大学院で、望ましい生き方や社会のあり方を構想してみてください。

 


梁波 さん
言語文化学専攻 博士前期課程
(2015年度修了)

Q:最初に自己紹介をお願いします。

梁波と申します。中国の遼寧省の出身で、日本に来てそろそろ三年になります。今府大の人間社会学研究科の言語文化学専攻のM2生です。

 

Q:いまどういう研究をしていますか?

相田先生の指導の下で、私はトニ・モリソンの第一作目の小説The Bluest Eye(『青い目がほしい』)を研究しています。中国人なのに、どうして日本で英語を勉強しているのか、とよく聞かれますが、これは賢い選択だと私は思っています。授業料は安くて、日本語と英語の両方が学べるからです。

 

Q:そのテーマを選んだ理由、ご自分の研究分野の魅力や楽しさを教えてください。

大学生時代、友達から“すごく面白い”と勧められて、一読しました。アフリカ系アメリカ人の苦しい生活の具体的な描写が印象的で、主人公に感情移入して、人種への偏見や差別が理不尽だと思い、アフリカ系アメリカ人達の生活を深く理解したいと思いました。どうやったらそのような生活が改善に出来るかに関心と興味がありました。

 

Q:ゼミの魅力や楽しさを教えてください。

研究テーマは相田先生の丁寧な指導のもと “Pecola and Claudia in The Bluest Eye―Family, Community, and Self-esteem―”と決めました。今やっていることは将来美しい思い出になると思います。毎週先生と小説を読んで、難しいところを先生に分かりやすく説明いただいて、意味が理解できるようになり、充実した時間を過ごしています。

 

Q:大学院に進学しようとしたきっかけは何ですか?なぜ大阪府立大学の大学院を選びましたか?

日本人の支援者が大阪府立大学の先輩で、府大に詳しいことから勧められ、府大を目指しました。先生と先輩の皆さんのお蔭で、大阪府立大学に決め、無事入学することができました。毎日学校へ通ったり、アルバイトしたり、仲間と一緒に遊びに行ったり、無駄な時間はなしで、楽しんでいます。

 

Q:大阪府立大学大学院の魅力は何でしょうか?

学校の魅力は人によって違うと思いますが、府大は広くて、図書館がすごいし、池もあるし、周囲の桜、紅葉が非常にきれいだと思っています。そのうえ、やはり先生は凄いです。相田先生に色々教えていただいて、支えてくれて、励ましてくれて、非常に感謝しています。府大に入学できて、光栄で幸せです。皆さんも自分の人生自分で体験して、いろいろ味わって、府大で美しい思い出を作りましょう。