蔵書-その他

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胎厥箴

【その他】

胎厥箴

上田友親筆  弘化四年松関斎序 弘化四年穂井田忠友跋
箱蓋裏書があり「伴雄」と署名。「伴雄」は長澤伴雄のことか。
上田友親という京都祇園新地末吉町の「宿老」(町年寄と思われる)をしていた人物が家訓とした堪忍に関わる言葉や制札、「水戸黄門御教訓」、また和漢朗詠集からの筆写など、その遺筆類を子孫がまとめて一巻としたもの。巻頭に「堪忍大明神」と大書し、「このご制札を大黒柱に張置て毎朝起出候ハヽ、先手水をつかひ候て御札に向ひ今日一日堪忍をよく守り、悪事災難を遁れ候やうにと一心に祈り、御頼ミ申べし」云々と書かれており、堪忍を基調とした心学的色彩の濃いもの。
なお上田氏は天保七年(一八三六)に六十七歳であり、弘化四年(一八四七)までに没したようである。