世界のスクールソーシャルワーク

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1.イギリス(United Kingdom)におけるスクールソーシャルワーク

ソーシャルインクルージョンにおける鍵となる役割

背景

 1870年当時は児童労働からの保護と就学の確保が子どもの福祉に関わる問題でした。そのため、教育福祉員の職務は、児童労働等を原因とする長期欠席に対して、子どもを学校に出席させる法的責任の履行を親に迫ることでした。

開始時期

 19世紀末、不就学支援に関する専門家として導入されました。イギリスにおいては、スクールソーシャルワークという言葉には馴染みがなく、教育福祉サー ビス(education welfare service)や教育福祉官(education welfare officer)という名称が一般的です。教育福祉官とは、教育当局内の部署である教育福祉サービスに所属するスタッフを指します。実態を知る確実な統計 データはありませんが、1990年代におよそ5500名の教育福祉官が存在することが分かっています。

役割

 主に、不就学の子どもやその子どもの家族に対する直接支援を行っています。教育福祉官の主な役割は、以下の通りです。(1)不就学の子どもに対しての代 替教育の提供、(2)特別な教育ニーズをもった子どもの支援、(3)福祉サービスに関する情報の提供(例.学校給食や学校の制服の無料支給など)

参考資料

Huxtable,M.,& Blyth,E.(Eds).(2002).School Social Work Worldwide.Washington DC:NASW Press.
峯本耕治・松本伊智朗(2006)「イギリスのスクールソーシャルワーク制度について」『ソーシャルワーク研究』32(2),108-112.
日本学校ソーシャルワーク学会編(2008)『スクールソーシャルワーカー養成テキスト』中央法規

 

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