世界のスクールソーシャルワーク

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11.韓国におけるスクールソーシャルワーク

現状と将来の方向性

背景

 日本以上に激烈な受験戦争のなかに身をおいています。学校もまた、受験中心の教育に陥っており、いじめや不登校、校内暴力といった日本と共通した課題も 浮かび上がっています。また、退学や家出、学業によるストレスなどは、日本以上に大きな問題となっています。さらに近年は貧困家庭の増加が著しく、十分な 教育環境を与えられない子どもたちが増加しています。

開始時期

 韓国では、歴史的にソーシャルワークとは、貧困である人々や孤児に対する慈善を行うものであるとされていました。1960年代に、スクールソーシャル ワークが大学のソーシャルワークのテキストにおいて登場しました。しかし、それはある地域における特別な取り組みを紹介したものに過ぎませんでした。 1990年代になって、ようやく教師やソーシャルワーカーへのスクールソーシャルワークへの必要性が浸透し、 1997年よりモデル事業が開始されました。

役割

 主に生徒支援活動・教育支援活動・家庭支援活動・地域社会連携活動・その他の活動に携わっています。生徒支援活動は、ケースワークとグループワークを 行っています。教育支援活動は、相談事例協議、教師からの相談活動、学校暴力予防活動、障害体験学習などです。家庭支援活動は、保護者からの相談活動、家 庭訪問、経済的支援(給食費支援、生活費支援、自宅修理支援など)が挙げられています。地域社会連携活動は、精神保健センター・病院・障害者総合社会福祉 館と学校とが連携を行えるように活動を行います。その他の活動は、実習生指導、広報活動、調査活動、評価活動などです。

参考資料

Huxtable,M.,& Blyth,E.(Eds).(2002).School Social Work Worldwide.Washington DC:NASW Press.
日本学校ソーシャルワーク学会編(2008)『スクールソーシャルワーカー養成テキスト』中央法規

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