研究科の魅力を語る
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VOICE 研究科の魅力 学生の声 for 2016
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[ 研究テーマ ]石原田:社会福祉学専攻の石原田明美です。研究テーマは、「妊娠・出産からみた女性の貧困」です。安全な出産を支えているのが出産前の妊婦健診だと言われているのですが、この健診を全く受けないか、とても少ない回数しか受けないお母さんがいます。なぜ受診しないのかという理由として、「経済的困窮」があげられることが多いのですが、問題はそれほど単純ではなさそうです。この問いを可能な限り追究して、より有効な支援につなげたいというのが私の思いです。 阿武:言語文化学専攻の阿武尚人です。英単語の効果的指導・学習法をメタファーなど、認知言語学の知見を用いて研究しています。 金:人間科学専攻の金花芬(ジンファフェン)です。在日本朝鮮族の現状と将来について研究しています。 [ 選んだ理由と研究分野の魅力は? ]阿武:学部生の時、英語を学習する際に、膨大な量の英単語を覚えるのに苦労しました。そんなときに、認知言語学と出会い、その知見を用いて英単語をもっと効率的に覚える方法はないだろうかと考えたことが今の研究テーマを選んだキッカケとなります。研究で複数の英単語を考察していく中で、その単語の根底にある人間の文化、身体性などを見出すことができる点を魅力に感じています。 石原田:入学当初は子どもの貧困について考えていたのですが、貧困が連鎖していることを考えると、まずはお母さんだと思うようになりました。しかし、「こうすれば貧困の連鎖は断ち切れる」といった誰にも当てはまる答えは永遠に見つからないのかもしれません。そのような「終わりのなさ」が、この研究分野の魅力でもあるのではと思います。 金:在日本朝鮮族の生活を助けるための活動を行うようになって、朝鮮族の人と知り合い、彼らから得た生々しい知見から、在日本朝鮮族一人一人に目が向くようになったためです。 [ 大学院に進学したきっかけは? ]石原田:一人娘がいるのですが、彼女が小学校に入学するというときに、これからはもう少し自分優先でもいいかなと思うようになりました。それで何がしたいかを考えたのですが、その答えが大学院進学でした。学び直して、人生の後半は少しでも人の役に立てることができたらいいなと思いました。 阿武:自分の研究をこの大学院でなら追求できると感じ、進学を目指しました。 金:来日前は、自分が中国出身の朝鮮族であることについて深く考えたことはありませんでしたが、来日後、多くの留学生と出会ったことで、「自分とは何者か」を問い直すようになりました。 [ 入学前と後とで変わったところは? ]石原田:入学後はスケジュールが分刻みになりました(笑)。特に前期は、新しい生活に慣れていないこともあって、いつも走っていたような気がします。でも、以前より忙しくなったはずなのに、かえって元気になりました!頭もたくさん使っているし、授業などで他の院生と議論できるおかげでしょうか。 阿武:入学後は自分で勉強、研究する時間が増えたため、時間管理に関してより強く意識するようになりました。自由時間に目的意識を持ってどのような行動をとるかによって、大学院の生活は大きく変わると思います。また学部生の時と比べて、大学院では研究発表などを通して、自分の意見を述べる機会が圧倒的に増えるため、積極的に考えを発信する力が向上しました。 金:自分の関心は、入学前は、朝鮮族のアイデンティティにありましたが、入学後は、朝鮮族一人一人の生活や考え方などに目を向けるようになりました。 [ 大阪府立大学大学院の魅力は? ]石原田:学部などの壁がないところだと思います。さまざまな分野の先生からご指導を受けて、視野を広げていただきました。先生との距離が近いところも研究を進めるうえで非常にありがたく感じるところです。 阿武:授業面でも設備面でも自分のやりたい研究をとことんやれる環境が整っている点です。留学生もとても多く、さまざまな考え方に触れることができるので、刺激に溢れた大学院生活を送れることも魅力の一つです。また、石原田さんが仰るように、「学部の壁がない」ということに関して、自分も同意です。授業の中には他専攻の先生の下で他専攻の院生と学ぶ機会もあり、視野を拡げることができたと思います。 金:私にとってもっとも魅力的なのは、ゼミの先生や先輩だけではなく、さまざまな分野で活躍されている多くの先生方からも助言を受けられ、多くのことを気づかせてもらえることです。 石原田 阿武:(うなずく) |