受講学生の声
~スクールソーシャルワーク実習報告集~
~受講学生の声~
Aさん
認知度の低さに対する考察、実習科目受講に際して
学校の役割が、多様化する中でスクールソーシャルワーカーの需要は高まっていると感じるが、現場の側にその必要性が認知されていない背景には、ソーシャ ルワークという言葉自体の認知度の低さと仕事内容のイメージのしにくさがあるのではないかと思う。「心理」というと、すでに専門的な勉強を経て行うものと いう認識ができており、そのため現場での働き方もイメージしやすい。しかし「ソーシャルワーク」や「社会福祉」という言葉はその専門性が認められたのも最 近であり、どういった形で現場にかかわるのかという点も不明瞭である。こういった理由から、仮にスクールソーシャルワーカーが配置されたとしても受け入れ る学校側に戸惑いが生まれ、他校への波及や認知の広がりに壁を作っているのではないだろうか。
Bさん
スクールソーシャルワーク課程科目を受講して、得られたこと
ケース会議の場面などを実際自分たちで体験することによって、一人職場で奮闘されているワーカーの思いだけではなく、学校の先生方の思いも擬似体験することができ、多面的に物事を捉えるということができたように思います。
スクールソーシャルワークの抱いていたイメージと違っていた点
思っていたよりも、先生方の受入れがよいように感じました。スクールソーシャルワーカーさんの努力の賜物だと思います。スクールソーシャルワーカーが率 先して他機関にでかけて行くように想像していましたが、他機関とつながるには教育委員会の許可が必要であったり、なかなかすばやい手立てをうつための権限 がスクールソーシャルワーカーにはないということに驚きました。校内での組織化やアドバイザーとしての役割を期待されていると言うことでしょうか・・・。 スクールソーシャルワーカーが福祉のなかでも立場を確立していくためにも、マクロのアプローチは大切であると感じました。
一番印象に残ったこと
3校に実習に入らせていただくことで、学校それぞれに異なる特徴があるということを体感することができました。スクールソーシャルワーカーさんは、それぞれの特徴を捉えながらそれに応じて働き方を変えておられる様子が一番印象に残っています。
Cさん
スクールソーシャルワーク課程科目を受講して、得られたこと
授業ではスクールソーシャルワークができた過程、スクールソーシャルワークが学校に入った過程、スクールソーシャルワークの現状、子育て不安等からまだ まだ発達段階であるスクールソーシャルワークが存在する意義を学ぶことができました。また、ゲストスピーカーの話から学校というものや学校の現状を学び、 違う視点からスクールソーシャルワークを見るきっかけとなりました。
一番印象に残ったこと
教育と福祉の視点の違いを目の当たりにしたことです。教職員の児童を見る力はとても優れていますが、やはり福祉の視点とは異なっていました。教職員が福祉の視点を学び、児童を見ることができればそれに勝るものはないのではないかと思いました。
Dさん
ミクロ場面での気づき
子どもは家庭の影響を、思った以上に受けているということ。
メゾ場面での気づき
先生方、学校全体としても、忙しい中で一生懸命生徒の問題と向き合おうとしているということ。先生方の中には、一生懸命になりすぎだと感じてしまうほど 積極的に役割を担っている方もいる。そして先生方は保護者のことを信じたいと思っているし、生徒にがんばってほしいと思っている。それでも対処しきれない ことが生じているという状況があるということ。
Eさん
スクールソーシャルワーク課程科目を受講して、ご意見等
スクールソーシャルワーク論、実習指導、演習のどの科目もスクールソーシャルワークを理解し、実習にあたる上で有意義であったと感じた。特に、事例検討でアセスメントをする演習では、スクールソーシャルワーカーの持つべき視点を学べる演習だったと思う。
Fさん
ミクロ場面での気づき
(学校の中、という解釈でいいでしょうか)
ケースについてじっくり話すのではなく、日ごろのちょっとした会話や雑談の中で、先生がぽろっともらす言葉が、意外にスクールソーシャルワーカーにとっては大切であるということ。
メゾ場面での気づき
学校とその他機関も加えて、という解釈でいいでしょうか)
児童養護施設や発達支援センターなど、その機関がもともと学校と良好な関係であれ、スクールソーシャルワーカーを「学校の中の福祉職」として、話すときに 「どちらかというとこちら側(同じ畑)の人間」という感覚で話されていたように思う。福祉側の機関からしても、「学校」という組織はなかなか中が見えにく く、そのためスクールソーシャルワーカーをつなぎ役として重宝されているような印象を受けた。